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【不動産投資】建物の価値を骨太に見抜け!「劣化対策等級」と構造別「減価償却」で失敗しない評価術

【不動産投資】建物の価値を骨太に見抜け!「劣化対策等級」と構造別「減価償却」で失敗しない評価術

建物の価値評価

こんにちは!勤務医大家のほねぶとDr.**です 🦴🩺。

前回の記事では、不動産投資の成功を左右する「土地選び」の重要性について熱く語らせていただきました。資産価値の根幹である「土地」の評価が最優先であることは間違いありません。

しかし、もちろん「建物」だって重要です! 土地だけが良くても、その上に建つアパートがボロボロでは入居者さんは集まりませんし、長期的な収益も見込めません。

特に、僕たちのような高所得の給与所得者(医師など)は、金融機関からの「与信(信用力)」 が高いため、高額な物件を購入できてしまいます。だからこそ、その「建物」が価格に見合った「質」と「価値」を持っているのかを、冷静に見抜く目が必要なのです。

今回は、建物の価値を見抜くための2つの重要な視点、 ① 建物の「物理的な質」(耐久性・安全性) ② 建物の「税務上の価値」(節税効果=減価償却) について、僕自身の1棟目の経験(と反省!)も踏まえながら、”骨太”に解説していきます!

① 建物の「質」は客観的指標=「住宅性能評価」で見極めろ!

「新築だから大丈夫」「見た目が綺麗だからOK」…そんな感覚的な判断は危険です。建物の物理的な強さは、国が定めた客観的な基準である「住宅性能表示制度」で評価するのが基本です。

投資家として特に注目すべきは、以下の2つの「等級」です。

1. 【超重要】劣化対策等級(構造躯体等):建物の”寿命”に関わる!

これは、建物の骨組み(構造躯体)がどれだけ「長持ちするように対策されているか」を示す等級です。等級1〜3まであり、数字が大きいほど長持ちすることを意味します。

  • 等級1: 建築基準法レベル(最低限)。
  • 等級2: 通常想定される維持管理で50年〜60年程度(木造の目安)は、大規模な改修工事を必要としないレベル。
  • 等級3(最高等級): 同様の条件で75年〜90年程度の耐久性が期待できるレベル。

僕が購入した1棟目の木造アパートも、劣化対策等級2を取得しています。

等級が低いと、将来的に大規模修繕が早く必要になり、キャッシュフローを圧迫するリスクがあります。逆に等級が高ければ、建物の寿命が長く、金融機関からの評価(融資期間など)も良くなる可能性があります。中古物件を見る際も、この等級は必ずチェックしましょう。

2. 耐震等級:入居者と資産を守る”強さ”!

地震に対する建物の強さを示す等級です。こちらも等級1〜3まであります。

  • 等級1: 建築基準法レベル(震度6強〜7で倒壊しない)。
  • 等級2: 等級1の1.25倍の強さ(学校や病院レベル)。
  • 等級3: 等級1.5倍の強さ(消防署や警察署レベル)。

等級が高いほど安心ですが、建築コストも上がります。投資物件としては、コストと安全性のバランスを考える必要がありますが、等級が高いことは入居者へのアピールポイントになり、地震保険料の割引も受けられるため、ランニングコスト削減にも繋がります。

② 構造による「減価償却」の違い=「税務上の価値」を理解せよ!

建物のもう一つの価値、それが「税務上の価値」です。ここで登場するのが「減価償却(げんかしょうきゃく)」という考え方です。

減価償却とは? なぜ最強の武器なのか?

減価償却とは、建物の取得費用を、国が定めた使用可能期間(=法定耐用年数)にわたって、分割して毎年「経費」として計上していく手続きのことです。

この最大のポイントは、「実際にお金(キャッシュ)は出ていかないのに、帳簿上は『経費』にできる」という点です。

これにより、キャッシュフローはプラスなのに、帳簿上の不動産所得を赤字にすることが可能になります。そして、この赤字を給与所得と損益通算することで、所得税・住民税を圧縮できるのです。これが、高所得者にとっての最強の節税スキームです。

【重要】構造によって「節税スピード」が全然違う!

この減価償却費の額を決めるのが「法定耐用年数」です。建物の構造によって以下のように決まっています。

構造 法定耐用年数
木造(W造) 22年
鉄骨造(S造) 19年〜34年(骨格材の厚さによる)
鉄筋コンクリート造(RC造) 47年
【ここがポイント!】
同じ建物価格であれば、耐用年数が短いほど、1年あたりの減価償却費は大きくなります。

つまり、木造(22年)は、RC造(47年)に比べて、2倍以上のスピードで経費計上できるため、初期の節税効果(損益通算メリット)が圧倒的に高いのです。 僕が1棟目に木造アパートを選んだ理由の一つも、この初期の節税効果を狙ったからです。

ただし、耐用年数が短いということは、それだけ早く減価償却が終わってしまう(=節税効果がなくなる時期が早く来る)ということでもあります。長期的な安定経営を目指すなら、耐用年数が長いRC造の方が有利な場合もあります。自分の目的に合わせて構造を選ぶことが重要です。

③(補足)金融機関はどう見る?担保評価額の決まり方

最後に、銀行が物件の価値をどう評価しているか(担保評価)も知っておきましょう。主に2つの方法があります。

積算評価(コストアプローチ):

土地と建物の価値を別々に計算して足し合わせる方法。「今、同じものを作ったらいくらか?」という視点です。特に土地値比率(物件価格に占める土地の割合)が高い物件は、この積算評価が出やすく、資産性が高いと判断されます。(僕の1棟目は、この積算評価が購入価格より低かったのが反省点です…)

収益還元評価(インカムアプローチ):

その物件が生み出す収益(家賃)から逆算して価値を決める方法。「どれだけ稼げるか?」という視点です。利回りが高い物件ほど評価が高くなります。

理想は、「積算評価も収益還元評価も高い物件」です。つまり、「資産価値(特に土地)がしっかりしていて、かつ、しっかりと収益も生み出せる物件」。ここを目指して物件を探すことが、融資を引き出し、出口戦略(売却)を有利に進めるための鍵となります。

【骨太的結論】建物の価値は「物理的な強さ」と「税務上の強さ」の両輪で見極めよ!

今回のまとめです。

  • 物理的な強さ(質):
    「住宅性能評価(劣化対策等級・耐震等級)」などの客観的な指標で確認し、長持ちする建物かを見極める。
  • 税務上の強さ(節税):
    「構造による法定耐用年数の違い」を理解し、自分の戦略(短期の節税重視なら木造、長期安定ならRCなど)に合わせて選ぶ。

この「両輪」で評価することが、失敗しない物件選びの鉄則です。

特に減価償却は、手残りのキャッシュフローには直接影響しませんが、税引後の最終的な手残りを大きく左右します。自分の投資目的に合わせて、どの構造がベストなのか、しっかりシミュレーションして判断しましょう!

参考文献・情報源

  • 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会:住宅性能表示制度
  • 国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
  • No.2100 減価償却のあらまし
  • 主な減価償却資産の耐用年数表
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