
医師の不動産投資!建物価値は減価償却と劣化対策等級が鍵
※はじめに(免責事項)
本記事は、私自身の経験や学習に基づくものであり、建築や税務に関する専門的なアドバイスではありません。最終的な投資判断や税務申告にあたっては、必ず建築士や税理士などの専門家にご相談ください。
こんにちは!勤務医大家のほねぶとDr.**です 🦴🩺
前回の記事(【不動産投資】物件選びは土地が9割!)では、不動産投資の成功を左右する「土地選び」の重要性について熱く語らせていただきました。 資産価値の根幹であり、絶対に変更不可能な「土地」の評価が最優先であることは間違いありません。
しかし、もちろん「建物」だって重要です!
土地だけが良くても、その上に建つアパートが雨漏りだらけの”ペラペラ”な建物だったら、入居者さんは集まりませんし、修繕費地獄に陥ってしまいます。
特に、私たちのような医師(高所得の給与所得者)は、金融機関からの「与信(信用力)」が高いため、フルローンに近い形で高額な物件を購入できてしまいます。 その「与信」という強力な武器を無駄遣いしないためにも、購入する建物が価格に見合った「質(物理的価値)」と「節税効果(税務的価値)」を持っているかを冷静に見抜く目が必要です。
今回は、建物の価値を見抜くための2つの超重要な視点を、私自身の経験と反省を踏まえて”骨太”に深掘り解説していきます!
目次
1. 建物の「質」は客観的指標(住宅性能評価)で見極めろ!
「新築だから綺麗で丈夫そう」「大手メーカー施工だから安心」
…そんな感覚的な判断は非常に危険です。
建物の物理的な強さや快適性は、国が定めた客観的な基準である「住宅性能表示制度」で評価するのが基本です。特に注目すべきは以下の3つの「等級」です。
① 劣化対策等級:建物の”寿命”に関わる!
建物の骨組みがどれだけ「長持ちするように対策されているか」を示す等級です(等級1〜3)。
- 等級2: 通常の維持管理で50年〜60年程度(木造の場合)は大規模改修を必要としないレベル。
- 等級3(最高): 75年〜90年程度の耐久性が期待できるレベル。
私が購入した1棟目の木造アパートも、劣化対策等級2を取得していました。
この等級が高いと、将来の大規模修繕リスクが下がるだけでなく、金融機関が「実態としての耐久性」を評価し、融資期間を長く設定してくれる(例:木造なのに40年ローン等)ポジティブな材料になります。
② 耐震等級:入居者と資産を守る”強さ”!
地震大国・日本において必須のチェック項目です(等級1〜3)。
- 等級1: 建築基準法レベル(大地震で即倒壊はしないが、住み続けられない可能性あり)。
- 等級2: 等級1の1.25倍の強さ(学校や病院レベル)。
- 等級3(最高): 等級1の1.5倍の強さ(消防署や警察署レベル)。
等級が高いほど建築コストは上がりますが、入居者への強力なアピールポイントになり、地震保険料の大幅割引(最大50%など)というランニングコスト削減にも直結します。
③ 断熱等性能等級(省エネ性能):家賃安定化の鍵!
「夏は暑すぎ、冬は寒すぎ」というアパートは退去率が高くなります。
断熱性が高い(等級の数字が大きい)と、入居者の光熱費が安くなります。これは「家賃が数千円高いのと同等の経済的メリット」を提供できるため、家賃下落を防ぐ強力な武器になります。
2. 構造・設備による「減価償却」の違い=「税務上の価値」を制圧せよ!
建物の評価において、もう一つ絶対に見逃せないのが「税務上の価値(=減価償却)」です。
① なぜ医師大家にとって「減価償却」が最強の武器なのか?
減価償却費とは、「実際には財布からお金は出ていかないのに、帳簿上は『経費』として計上できる」魔法のような数字です。
高い所得税率が適用されている医師にとって、不動産経営でこの「見かけ上の経費」を大きく計上し、不動産所得を赤字にして給与所得とぶつける(損益通算する)ことで、本業で納めすぎた所得税を取り戻す(還付される)絶大な節税効果を生み出します。
(※土地購入分のローン利息は損益通算できない等のルールには注意!詳細は【医師・高所得者向け】不動産投資の税金「落とし穴」回避術!へ)
② 建物の「構造」によって節税スピードが全く違う!
減価償却費を計算する上で最も重要なのが、税法で定められた「法定耐用年数」です。
| 構造 | 法定耐用年数 | 1年あたりの減価償却費 (建物5,000万円の場合) |
|---|---|---|
| 木造(W造) | 22年 | 約227万円/年 |
| 鉄骨造(S造) | 34年(重量) | 約147万円/年 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 47年 | 約106万円/年 |
同じ5,000万円の建物でも、木造はRC造の2倍以上の金額を毎年「経費」にできます。私が1棟目に木造アパートを選んだ理由の一つも、この初期の節税効果を最大化したいという狙いでした。
③【節税テク】「建物本体」と「設備」は分離して償却せよ!
さらに高度なテクニックとして、「建物本体」と「建物附属設備」「器具備品」を分けて減価償却する方法があります。
- 建物附属設備(例:耐用年数15年): 給排水設備、電気設備など。
- 器具備品(例:耐用年数6年): エアコン、給湯器、防犯カメラなど。
建物価格5,000万円のうち、設備分を「15年」や「6年」という短い期間で償却できれば、初期の節税効果をさらにブーストさせることが可能です。(※極端な按分は税務署に否認されるため、税理士への相談必須)
④【中古物件の戦略】耐用年数リセットで爆発的節税!
中古物件を購入した場合、「簡便法」という計算により耐用年数が極端に短くなります。
法定耐用年数22年 × 20% = 4年
なんと、たった4年間で建物価格の全額を経費化できます!これが「中古物件は節税効果が高い」と言われる最大の理由です。
3. (補足)金融機関は「建物の価値」をどう見ている?
最後に、金融機関が融資審査で物件の「担保価値」をどう見ているか補足します。
▼ 積算評価(コストアプローチ)
💡 資産性重視土地の評価額 + 建物の評価額
(再調達価格-経年劣化)
「もし今、これを作ったらいくらになるか?」という評価です。
▼ 収益還元評価(インカムアプローチ)
💡 収益性重視年間の純収益(NOI) ÷ 還元利回り
(キャップレート)
「この物件は、いくら稼ぐ力があるか?」という評価です。
私の1棟目(約1.67億円)は、購入価格に対してこの積算評価(特に土地)が著しく低かったことが「やや失敗だった」と考える最大の理由です。積算評価が低いと、将来の売却時や、2棟目購入時の共同担保としての評価が伸びず、拡大戦略の足かせになります。
理想は、「積算評価(資産性)が高く、かつ収益還元評価(収益性)も高い物件」です。
言うは易しですが、ここを目指して探すのが骨太な資産形成の王道です。
4. まとめ:建物の価値は「物理」と「税務」の両輪で見極めよ!
不動産投資で失敗しないために、建物の価値を正しく評価するには…
-
🏠「物理的な強さ(質)」を客観的に評価する!
住宅性能評価(劣化対策・耐震・断熱)を確認し、長期的な耐久性と修繕リスクを見極める。
-
📉「税務上の強さ(減価償却)」を戦略的に評価する!
構造別の耐用年数(木造22年、RC47年など)を理解し、設備分離や中古物件の活用で、自身の目的に合った節税スピードを設計する。
減価償却は手元の現金を減らさない「魔法の経費」であり、損益通算を通じて税引後のキャッシュフロー(本当の手残り)を劇的に改善します。
自分の投資目的(初期の節税重視か? 長期の安定収益重視か? 資産価値重視か?)に合わせて、どの構造・築年数の建物が最適なのか、専門家と相談しながらしっかりシミュレーションしましょう!
▼ あわせて読みたい
▼ 参考文献・情報源
- 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会:住宅性能表示制度
- 国税庁 タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし
- 国税庁 タックスアンサー No.5404 中古資産の耐用年数


